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生活習慣(食生活)

イソフラボンの種類の違いを教えてください

イソフラボンは「グリコシド型」と「アグリコン型」の2種類があり、 「グリコシド型」は低吸収型、「アグリコン型」は高吸収型という特徴があります。
最近のサプリメントはほとんどがアグリコン型ですが、食品中のイソフラボンは豆腐も納豆も豆乳も基本的にグリコシド型です。
グリコシド型はイソフラボンのまわりに糖がくっついていて、腸内細菌で糖が分解されて体内に吸収されます。
一般的に吸収率は摂取量の約2割。吸収までにかかる時間は6~8時間と言われています。
一方、アグリコン型のイソフラボンは、糖がすでにはずされた状態にあります。腸内細菌で糖が分解されるのを待つ必要がないので、すみやかに吸収されます。
吸収率はグリコシド型の3倍以上、2時間ほどで吸収のピークを迎えます。

詳しくは以下の連載インタビュー
「前立腺を守る」ということは。
第9回「サプリメントは薬ではなく栄養補助食品」をご覧ください。

魚を食べると前立腺にいいのですか?

4つのコホート研究の解析では、魚の摂取が前立腺がんのリスクを63%下げることに関連すると報告されています。
6,272人を対象とした30年間という長いコホート研究の結果でも、魚をまったく摂らない人と多量に摂取する人では、前立腺がんの発症に2〜3倍の違いがあることがわかりました。
ところがその後、魚に含まれる不飽和脂肪酸のうち、オメガ3脂肪酸の過剰摂取が前立腺がんのリスク上昇に関連するという報告がなされ、前立腺がんに対する魚の予防効果に関してはさらなる今後の研究が待たれている段階です。
普段の食生活で青魚を食べるレベルであれば、心配することはないでしょう。

詳しくは以下の連載インタビュー
「前立腺を守る」ということは。
第9回「野菜や魚は積極的に摂るべき??」をご覧ください。

前立腺がんの予防にブロッコリーやカリフラワーがいいというのは本当?

コホート研究では、ブロッコリーやカリフラワーを頻繁に食べる男性は、食べない男性に比べて、悪性度の高い前立腺がんの発症リスクが低いことが示されています。
アブラナ科の野菜に含まれているアソチオシアネートとインドールという物質が発がん物質を解毒し、がん細胞の増殖を抑制する可能性が示唆されています。

詳しくは以下の連載インタビュー
「前立腺を守る」ということは。
第9回「野菜や魚は積極的に摂るべき??」をご覧ください。

トマトは前立腺にいいのですか?

リコピンにはβ-カロテンのおよそ2倍、ビタミンEの100倍ほどの抗酸化作用があると言われています。そのリコピンを豊富に含んでいるのがトマトです。実際、11のケースコントロール研究と10のコホート研究のメタ解析で、トマトの摂取は前立腺がんの発がんのリスクの低下に関連するという報告がなされています。
新鮮なトマトが11%の減少、加熱したトマト食品は19%減少です。
加熱したトマトでもOKなので、トマトジュース、トマトソース、ケチャップetc.摂取の幅が広がります。
他の食品ではスイカ、ルビーグレープフルーツ、柿、さくらんぼ、赤パプリカ、プラム、金時人参などにもリコピンが多く含まれています。
トマトは大玉トマトよりミニトマト、よく熟れたトマトのほうが含有量が多いようです。

詳しくは以下の連載インタビュー
「前立腺を守る」ということは。
第9回「野菜や魚は積極的に摂るべき??」をご覧ください。

イソフラボンは前立腺がんの予防に効果がありますか?

豆類、とくに大豆に多く含まれるイソフラボンの摂取は血中のSHBG(性ホルモン結合グロブリン)という物質を増加させ、前立腺がん細胞の増殖を抑制することが実験でも示されていて、日本でも臨床試験が行われています。
現在までの疫学的調査とイソフラボンを用いたランダム化試験のメタ解析の結果は、イソフラボンの前立腺がん予防効果に肯定的で、今後のさらなる検討が待たれているところです。

詳しくは以下の連載インタビュー
「前立腺を守る」ということは。
第8回「意識して摂取したい「イソフラボン」」をご覧ください。

コーヒーは前立腺がんと関係がありますか?

ハーバード公衆衛生大学院で47,911名の男性を対象に、1986年から4年ごとにフォローを行う大規模研究が行われました。
前立腺がんに罹患した642人の追跡調査を行い、前立腺がんの再発や進行について調べた結果、1日6杯以上のコーヒーを飲む人は、飲まない人と比べると、前立腺がんの発症リスクが18%低く、死に至るような悪性前立腺がんのリスクが60%低いことが判明しました。
日本人を対象とした疫学研究においても、1日に3杯またはそれ以上コーヒーを飲む人は、前立腺がんになるリスクが40%低いという報告があります。

詳しくは以下の連載インタビュー
「前立腺を守る」ということは。
第7回「コーヒーに前立腺がん予防の可能性」をご覧ください。

日本人は前立腺がんになりにくいって本当ですか?

前立腺がんになるリスクの高さは、黒人種、白人種、黄色人種の順と言われています。
日本人は黄色人種ですから、元来前立腺がんの発症率は高くないはずです。
ところが、2020年には1995年の6倍になると予測される勢いで、日本人男性の前立腺がん罹患者が増えているのが現実です。
ライフスタイルと前立腺がんの発症には密接な関係があるということが示唆されています。
実際、アメリカに移住した日本人には前立腺がんの発症リスクの増加が見られます。
豆類などのポリフェノールを含む食生活が、黄色人種の前立腺がん発症率の低さに関与しているのではないかとも言われています。

詳しくは以下の連載インタビュー
「前立腺を守る」ということは。
第3回「日本人は本来、前立腺がんに罹患しづらい人種です。
第5回「肥満はテストステロン(男性ホルモン)を減少させる。」をご覧ください。

運動すれば前立腺がんを予防できますか?

運動不足と食生活が前立腺がん発症に関連しているといった疫学的研究は多数あります。
30METs以上の運動は、前立腺がんのリスクを約4割減少させるという報告もあります。

詳しくは以下の連載インタビュー
「前立腺を守る」ということは。
第4回「射精の回数が多いほど、前立腺がんのリスクが低下?」をご覧ください。