"前立腺ケア.com PSA値が気になる50歳からの前立腺情報局

PSA検査Q&A

PSA検査について、よくある質問をまとめました。

なぜ50歳を過ぎたら年に1度?

前立腺がんの危険因子のひとつが「年齢」だからです。大まかに50歳がひとつの目安になります。異常がない状態で自分のPSA値を把握しておくことができれば、それ以降に検査したとき、比較すべきデータとしてもとても参考になります。

実際、前立腺がんは欧米では最も発生率の高い“がん”のひとつで、米国人男性の発症率は第1位。かつては少なかった日本でも、2000年以降急増しています。1999年には18,000人程度でしたが、2020年には78,000人以上となり、肺がんに次ぐ第2番目に多くの男性がかかるがんになると予測されています。

また、前立腺がんのかかりやすさには、「家族歴」もあげられています。父親や兄弟、親族に前立腺がんと診断された方がいる場合は、早期発見のためにできれば40歳になったらPSA検査を受けるよう勧められています。

PSA検査はどれくらいの人が受けているの?


2005年時点で「PSA検査をしたことがある人」は5%にも満たないという報告がありましたから、急速に検診率は伸びていますが、受診率70〜80%の欧米各国とはまだ隔たりがあります。PSA検査対象といわれている50歳以上の男性は日本全国で2,400万人います。これは総人口の約40%にあたります。

どこで受けられるの?

自治体の住民診断や人間ドック、専門の泌尿器科の他、かかりつけ医で受けることができます。住民検診での対象年齢は50歳以上が一般的ですが、排尿に関する症状があり、前立腺がんなどが疑われる場合などは、一般検査機関で受けることができます。通常の血液検査とあわせて簡単に行なうことができます。

費用はどれくらい?

自治体によっては無料のところもありますが、医師による診察の結果、前立腺がんが疑われる場合、検査料のみであれば420円(3割負担)です。自覚症状がなく、検査の一環として受ける場合は自費診療となります。人間ドックなどのオプションで検査を受ける場合はおおむね2,000円〜3,000円、自治体の前立腺がん検診では無料の地区もありますが、500円〜2,000円程度の自己負担を設定しているところが目立ちます。

結果が出るまでの時間は?

1週間程度かかることが一般的です。前立腺がん患者の多い大学病院などではその日のうちに結果が出る施設が多くなっています。

検査結果が基準値内なら、しばらくは大丈夫?

基準値内でも、数値に応じて定期的に受けることをお勧めします。検査で異常がなくても、小さい前立腺がんが隠れている可能性や、将来前立腺がんへと進んで行く可能性はゼロではありません。どの年齢でも、1.0ng/ml以下の場合は3年に1度の検査でよいとされていますが、基準値以内でも1.0ng/ml以上なら年に1度は検査を。前立腺がんは、自覚症状がほとんどないために発見が遅れることが多いからです。

※年齢階層別基準値による、PSA検診のおすすめ

年齢 基準値 1.0ng/ml
以下
1.0ng/ml
〜基準値
基準値
以上
50〜64歳 3.0ng/ml
以下
3年に1度 1年に1度 専門医受診
65〜69歳 3.5ng/ml
以下
3年に1度 1年に1度 専門医受診
70歳〜 4.0ng/ml
以下
3年に1度 1年に1度 専門医受診
どれくらいの人が基準値を超えているの?

約8%の方が基準値を超え、危険値、または基準値と危険値の間のグレーゾーンでがんの可能性ありとなります。しかし、可能性であって診断ではありません。がんと診断される割合は、4.0〜10.0ng/mlのグレーゾーンで約25〜30%です。危険値の10〜20ng/mlになると約50%程度まで高まります。

基準値を超えてしまったら、どうするのですか?

泌尿器科医のいる精密検査機関を受診し、PSA再検査、超音波検査、直腸診などを行います。最近では、前立腺の造影MRI検査が最も有用である事がわかってきました。前立腺肥大症や前立腺炎などの良性の疾患でもPSA値は高くなりますから、鑑別も大切です。精密検査で前立腺がんが疑われる場合は、確定診断のために前立腺針生検が必要になります。

前日に射精すると、PSA値が上がるって本当?

射精がPSA値を上げることはあります。ただし一時的な上昇です。少なくとも2日は間をあけてから検査するようにしましょう。

家族に前立腺がんにかかった人がいる場合は、40代でも検査しておいたほうが安心だな。

そうですね。父親、兄弟に一人でもいると、危険性が高まるという報告があります。

それと、肥大症の人は、前立腺がんに罹りやすいのでしょうか。

まったく別の疾患で、関連性はありません。ただし前立腺がんの人は、肥大症も患っている場合がほとんどです。