Part3 QOLのためのセルフケア

睡眠時間が不十分だと、体の抵抗力が弱まり、前立腺炎にもかかりやすくなります。夜間のトイレで、こまぎれ睡眠になりがちな人こそせめて入眠はスムーズに。

質のよい睡眠をとるために

十分な睡眠は免疫力を高め、アレルギーやがんの抑制に効果をあらわすといわれています。入眠には、体温が下がって発汗作用が活発になるような環境が必要です。体内からの発汗作用をスムーズにするためには、入眠前に低い温度で入浴したり、軽い体操を行って血行を良くすることが有効です。

逆に高い温度での入浴や激しい体操は、体の内部まであたたまってしまいます。そのため冷えるまで時間がかかり、スムーズに眠りに入っていくことができません。神経の興奮も睡眠の妨げになりますので、寝る前のテレビやDVD、インターネットの見過ぎにも心配りが必要です。眠る直前のアルコール摂取も入眠のさまたげになるので、注意が必要です。

入眠前の水分摂取は、夜間頻尿がなくても安眠のためには控えたい行為です。ただし、適度な水分摂取は必要です。水分不足は腎機能の低下や尿路感染、尿路結石の要因にもなります。日中はしっかり水分を摂りましょう。カフェイン飲料は少しの量でも入眠を妨げることがあります。

また、夜中にトイレで起きてしまう人は30ルクス程度の柔らかな光の元で眠ることをおすすめします。中途覚醒が起きたとき、柔らかな光がないと不安になってかえって目が覚めてしまうからです。トイレの近くに寝室を移すことも、安心につながります。中途覚醒は飲み過ぎでも起こります。通常は眠っている間には、おしっこが作られないようにするためのホルモン(抗利尿ホルモン)が分泌されますが、アルコールはこのホルモンの働きを邪魔してしまうので、夜中のおしっこの要因にもなります。

夜間のトイレを減らすための留意点

夜間の水分摂取過剰は、夜間多尿になるため、夜間頻尿を招きます。脱水状態でない時に摂取した水分は、全て尿になります。夜間多尿かどうかは、紙コップで夜間の尿量を測ればわかります。1日の尿量の3分の1以上であれば、夜間多尿ですので、医師に相談してください。

寝る前の水分摂取を避ける 利尿作用があるカフェインを含むコーヒーなどの飲み物は、食後は控える 夕方に軽い運動や散歩をし、体内の余分な水分を汗などとして排出しておく 39〜40度くらいのぬるめのお湯にゆっくりとつかると、血液の循環がよくなり、排尿障害が緩和される パンツだけで寝ない。下半身の冷えは頻尿を誘発する

睡眠と前立腺がんの関連研究

コラム 睡眠ホルモンと前立腺がん

コラム 睡眠ホルモンと前立腺がん

睡眠ホルモンとして知られるメラトニンの分泌レベルが高い男性は低い男性に比べ、前立腺がんの発症リスクが低いことがアメリカで実施された研究で明らかにされています。

ハーバード公衆衛生大学院の研究チームは928人の男性のメラトニン値を測定し、平均7年間追跡調査を実施。メラトニン分泌レベルが中央値よりも高い男性は低い男性に比べ、進行性の前立腺がんを発症するリスクが75%低いことがわかりました。

コラム 睡眠ホルモンと前立腺がん

コラム 交替制勤務者の前立腺がんリスク(文部科学省科学研究費による大規模コホート研究)

コラム 交替制勤務者の前立腺がんリスク(文部科学省科学研究費による大規模コホート研究)

約11万人の男性(40〜79歳)を対象に行った追跡調査で、昼夜交代で働く交代制勤務に従事する男性は、日勤の男性に比べて、前立腺がんにかかるリスクが3.5倍高いことがわかりました。

このメカニズムとしては、不規則な勤務時間によって体内時計が乱れ、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌量が低下することが一因ではないかと考えられています。メラトニンはがん細胞の分裂を抑える働きがあることが知られています。

熱い風呂が好きだけど、質のよい睡眠のためには、ぬるめでゆっくりか・・・

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